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  お盆になると、「お盆は、死んだ人の魂が帰ってくる大切なとき」と言っていた人のことを思い出します。その人は交通事故で突然大切な家族を失った方で、そんな大事な時期だということに配慮をしない加害者の行動を非難する中での言葉だったと記憶しています。その人とは、数年間、刑事事件、民事事件を通して、関わらせてもらいました。そして、いろいろなことを感じ、考えさせてもらいました。

 長く、関わっていると、その人のことを理解したいと思うし、理解できたような気にもなります。しかし、幸せや不幸せは絶対的なもので、他人と比べてどうかなど全く関係がない。その人の不幸は、その人だけのものであって、他人が理解できるものではありません。理解できたなどと思うのは、とんでもない勘違いで、そんな態度を示すことは、失礼どころか相手を傷つけてしまうことすらあるのではないでしょうか。悲しみの深さに驚き、自分の態度を恥じたり、焦ったりすることが何度かありました。ちょうどその時期、同じようなことに関わったこともあって、それ以来、理解できない壁があることを忘れないよう心がけています。とくに人の死にまつわるケースでは、法律は遺された者のための制度を用意していないため(刑事事件は国の立場で人を裁き、民事事件は金銭的な紛争解決のための制度です。)、遺された者は行き場のない想いを抱えざるを得ません。

 ただ、理解はできないにしても、理解しようとする気持ち、共感できる心は持ち続けたい。経験を積むことで先の見通しがつくようになると忘れがちなことなので、毎年、この時期に自分を振り返ることができ、感謝しています。



2010年8月13日 Tetsuki Namba | コメント(0) | トラックバック(0)

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